ヘアカラーの持続力と髪質

黒髪の重い雰囲気を変えたくてヘアカラーで明るく軽やかな色にしたのに、取れやすい毛質なのか1ヶ月も経たないうちに色が落ちて金髪みたいな状態になってしまいました!

パーマやヘアカラーの「掛かり」「持ち」に関するお悩み相談は以前から多数いただいていましたが、2006年あたりからパーマやヘアカラーの持続力に関係する髪の潤い維持に大きな変化が見られるようになりました。

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photo credit: 髪の治療院のWEBクリニック

パーマやヘアカラーの持続力と髪の弾力

それまでは11月から2月までの空気の乾燥する冬場に行っていた乾燥ケアが「一年中欠かせない手当て」になるなど、髪ダメージの状況に変化が起こり始めました。パーマやヘアカラーの施術でカール・ウェーブや色味などが定着するまでに時間が掛かったり、それとは逆に直ぐにカール・ウェーブや色味が取れてしまう方が急に目立つようになり、施術前の問診時で「パーマやヘアカラーを行なうためには弾力不足の状態なためお勧めできません」と、お断りせざる終えないケースが相次いで見られるようになったのです。

美容院でパーマやヘアカラーをお願いする時、「パーマが掛かりづらそうな髪をしていますね」「この状態ですと染まるまでに時間が掛かって色の持ちが悪いかも」と美容師さんから聞かされたかもしれません。ですが、これだけは言えます。パーマやヘアカラーが持続しない原因は「あなたの生まれながらの毛質の為だけでは無い」ということです。

紫外線やエアコンのダメージが表面化し始める秋口に必要な細心の注意

夏も終わり少しずつ秋が深まりつつある今の時期、頭皮や毛髪は悲鳴を上げ始めています。その最大の原因は、夏場に浴びた大量の「紫外線」と「エアコン」。

紫外線は5月中旬ごろ降射量がピークに達し、8月くらいまでは大量に降り注ぎます。もしお肌が刺激に対する抵抗力が弱っている状態にあった場合、皮下組織にまで達することもあり、髪の製造工場(毛母細胞)やこれから生まれてくる細胞の遺伝子までも傷つけるケースもある程。

そして、今年は異常気候の影響からか夏前から30度超えの日も多く観測されました。その影響から、外気の熱やエアコンの冷風による温度差が頭皮と頭髪にボディブローのように少しづつダメージを与え、2~3か月後になって徐々に刺激に対する抵抗力が弱くなる影響が現れ始めます。つまり、夏の間に浴び続けてきた「紫外線」と「エアコンの冷風」の影響が9月初め〜10月にかけて、抜け毛・フケ・乾燥・弾力低下となって髪や頭皮に表面化してくるです。

ただ残念なことに、パーマ・ヘアカラー施術後のトリートメントで保湿成分やタンパク質の補給・濃密な油脂成分や閉塞剤(ポリマー)などでキューティクルの補修をしても、一時的に手触りやツヤが良くなるだけ。紫外線やエアコンが引き金となって起こった「抜け毛・フケ・乾燥・弾力低下」などの根本的な症状の改善には至りません。その他にも、ヘアカラーの色の持ちが良くならないことは、サロン勤務時代からマイサロンオープン2年目まで私のコノ目でたくさん見てきました。

但し、施術前の毛髪や頭皮の健康診断をしっかり行なえば、パーマやヘアカラーが持続する弾力が有るか無いかをキチンとお伝えすることは出来ます。

しかしながら「施術後にトリートメントをすれば持ちは良くなります!」とアドバイスするサロン程この診断を軽視、弾力不足でも無理矢理施術を行なう傾向にあります。このような美容院ほど、お客様の希望したパーマの掛かりやヘアカラーの色味と違う仕上がりになったとしても、「あなたは取れやすい髪質だから」「あなたの髪の状態ではこれ以上は無理」といった毛質の悪さを理由にしたひと言で問題を掏り替えられて施術終了。本来であれば自らの施術の過ちを素直に認める所ですが、謝ることもせず全ての非をお客様の髪質に求めてしまう。

パーマやヘアカラーのダメージから守り持続力を維持していきたいとお考えなら、美容院側がどれだけ誠意を持って「施術前の毛髪診断」や「施術前の傷んだ毛髪の手当て」に取り組んでいるか否かが重要だと言えます。

あなたは施術後のトリートメントでは髪の弾力は改善しないことをご存知ですか?

髪の治療家 田中和義 より