襟足の髪ばかり絡まってしまうのは何故?

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毎日ノンシリコンタイプのシャンプー剤で髪を洗い、トリートメントで栄養も補給して髪を労っているのに、朝起きると、毛先が絡まってブラシも通らず手触りもゴワゴワバサバサ。それだけならまだしも、襟足の髪が絡まって“モコッ”と膨らんでしまうのは何故でしょうか?

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photo credit: 髪の治療院のWEBクリニック

乾いている時と濡れている時で変わる髪のメカニズム

髪が絡まる原因の代表的なものには、「ブラッシングの不足」「シャンプー剤を髪に沢山つける」「シャンプーの泡を毛先に揉み込む」「タオルで髪の毛をゴシゴシ擦る」「ドライヤーでの乾かし不足」「シャンプー前後のすすぎ(ゆすぎ)不足」…等が考えられます。

いろいろ相談を受けた中で特に多いのが、「シャンプー後の乾かし不足で、摩擦の力によってキューティクルがささくれて絡まってしまう」ケース。

キューティクルは、開閉する性質を持っている

人間の毛髪は、水分を含むと膨らんでキューティクルは閉じて引き締まった状態となり、引っ張ると約1.5倍くらいまで伸びます。

反対に、毛髪内部の水分が蒸発して乾いてくるに従って段々と縮み、キューティクルは開いて引締め力が緩んで少しずつ反り上がってくる、伸縮性と引締め力が備わっているのです。

私も見習い時代に経験がありますが、前髪をカットした時、濡れている時は丁度良かったのに乾かしたらオンザ眉毛(わかめちゃんみたい)になってしまうケースなどは、元々髪に備わっている伸縮性を物語っています。

濡れている毛髪は、ほんのチョットの力で傷ついてしまう

「ドライヤーを使って髪を乾かすと傷みそうだから、自然乾燥で済ませている」このようなお手入れを実践されている方は、まだまだ多いようです。

確かに「熱の力」によるダメージは大きく、ヘアドライヤーの使用法を誤るだけで激しく傷んでしまうのは事実ですが、髪が濡れたまま寝ている状態に、無理矢理クシでゴシゴシとかしたり摩擦で擦り合わさる負荷がキューティクルにほんの少し加わるだけで簡単にささくれてしまう程、髪が濡れた状態に受ける摩擦の力というのはドライヤーの熱よりも遥かに傷みが激しい物理的ダメージです!

この、ささくれたキューティクル同士がタックを組んで起こるのが髪の絡まりであり、髪に掛かる摩擦などの負荷が大きいほど絡まりは悪化して解けにくくなってしまいます。

そして人間の頭部の中でも襟足部分は、特に髪が密集して生えている部位であるため熱や風が伝わりにくく、自分では乾いたかな?と思っても実は半乾きの状態であるケースが多く、寝ている間の枕との摩擦や擦り合わさる力が加わりながら乾いていくため、ささくれたキューティクル同士の絡まりがより一層ひどくなってしまうのです。

あなたはヘアドライヤーでブローするより、自然乾燥の方が髪が傷まないと思っていませんか?

髪の治療家 田中和義 より

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