
髪や頭皮の臭いとヘッドスパ
一般的に冬の寒い時期は、肥満体質の方を除いてはアスリートでもない限り汗の分泌量は少ないもの。
にもかかわらず、気温や湿度が低く汗も余りかかない冬の時期に「臭い」や「ベタつき」を訴える方が増えているのは何故でしょうか?
サロンオープンから22年間で延べ19,600人余りの毛髪や頭皮と向き合ってきた私の推測ですが、過度な清潔感を求める生活習慣や、手触り・香りを重視した整髪料類の登場が、「臭い」や「ベタつき」症状を悪化させたのではないか?と考えています。
臭いやベタつきを生むメカニズム
私たちが暮らしている大気中には、「ただ単に空中を浮遊している菌」「人間の体にくっついて汗や皮脂を栄養としている菌」「インフルエンザのように身体の中に入ることで悪さをする菌」…など、目に見えない善玉菌と悪玉菌が無数に飛び交っています。
悪さをする菌がいても退治してくれる菌がいることで、私たちの生活空間である大気のバランスを保ってくれているにも拘らず、
少しでも楽に清潔にしたいからと衣服や空気の除菌を繰り返し、泡立ち・手触り・香りの良い簡単に使える整髪料類を使って毎日のようにヘアケアを続け、便利さや快適性を求め続けました。
その結果、繰り返される除菌によって大気中の菌のバランスは崩れ、泡立ち・手触り・香りの良さを演出している配合成分によって、正常な状態を保っていた体の菌や皮脂の分泌バランスが崩れて過剰な状態へと傾いたため、「臭い」「ベタつき」症状が一気に吹き出したのです。
ヘッドスパの役割
一般的には、「ハリ・コシ・ツヤのある健康な髪は、清潔な毛穴や頭皮の環境がなければ育ちません」と教えられています。
そのため、多くの美容室で行なわれているヘッドスパは、「頭皮や毛穴の汚れの除去」「清潔な育毛環境を整える」ことを主な役割としています。
たしかにヘッドスパを行なえば、臭いやベタつきの元となる頭皮や毛穴の皮脂汚れは取り除くことは可能ですが、その場限りで終わってしまうケースが多いのも事実。
皮脂の分泌が過剰なままでは、2〜3日もすれば頭皮や毛穴環境は悪くなり、臭い菌は繁殖してしまいます。
ですから、臭いやベタつきを元から絶つには
(1)過剰な皮脂分泌の正常化
(2)臭い菌や増え過ぎた常在菌の殺菌
この2つの手当てを行なえるヘッドスパが必要となります。
臭いやベタつきには、皮脂や常在菌を本来の状態に戻すバランス調整手当てが最も大切なのです♪
健康ヘアアドバイザー 田中和義 より