髪に塗るオイルは何が一番いいですか?

160401-QA034-IMG_1754
Pocket

傷んでバサバサの髪にはヘアオイルを塗るとまとまりが良くなるよ!と聞きました。ただオイルといっても椿油、馬油、ホホバオイル、アルガンオイル、ココナッツオイル…等、種類がたくさんあり過ぎてどれが良いのかわかりません。傷んだ髪に塗るとしたら何が一番いいのでしょうか?いつ付けるのが良いのでしょうか?とのご質問に回答させていただきました。
 

160401-QA034-IMG_1754
photo by: アロマオイル photo credit: 髪の治療院のWEBクリニック

 

髪に塗るオイルは何が良いの? いつ付けるの?

 
私の美容師の下積み時代(1980〜90年代)は、ヘアスプレーを使ってツヤを出したり髪型をまとめる仕上げが主流で、髪に付けるオイルと呼べるモノは「椿油」「馬油」くらい。この頃に比べて、今現在はオイルの種類も選ぶ選択肢も格段に多くなりました。
 
その反面、自宅のお手入れで使うヘアオイルを買いにドラッグストアーに行っても、大量に陳列されているオイルを目の前にすると正直どれを使ったら良いのか散々迷った挙げ句、何も買わずにそのまま帰宅してしまった経験に心当たりのある方もいらっしゃるのでは。
 
食品偽装のニュースが相次いで世間を駆け巡った2010年以降の傾向としては、健康志向への関心がどんどん高まって身体の中に摂り入れる食物やサプリメントだけでなく、髪やお肌に塗るヘアケア製品や化粧品に至るまで、出来る限り自然由来の原料を使用している製品が支持を集めている流れとなって来ております。
 
昨今、ノンシリコン系のシャンプーやトリートメントとともに植物性オイルがこれだけ絶大な支持を集めている背景には、食品偽装のニュースが相次いで世間を駆け巡ったことが、健康志向への関心をどんどん高めていることとも関連性があるのではないでしょうか。
 
それは、身体の中に摂り入れる食物やサプリメントだけでなく、髪やお肌に塗るヘアケア製品や化粧品にまで及び、出来る限り自然由来の原料を使用している製品が支持を集めている流れとなっており
 
手触り感やツヤ感を高めるために、配合される天然植物由来の油脂成分がどんどん濃密タイプへと変化していることからも、伺い知ることができます。
 
 

髪がうるおいをキープする仕組み

 
人間の髪の毛は、水分量(16種類のミネラル)が11〜13%の範囲にある時が、しっとりしなやかな手触りで天使の輪が輝く最適なうるおいバランス。
 
この11〜13%の水分量(最適なうるおいバランス)を維持するため、髪の毛は「キューティクルを開閉」して「大気中の水蒸気を補給」する作業を毎日行なっています。
 
 

ヘアオイルの役割と性質

 
この「大気中の水蒸気を補給」する作業によって得られた11〜13%の水分量(最適なうるおいバランス)が髪の外に出て行かないように、髪内部の壁やキューティクルの隙間に皮膜を張って「水分(ミネラル)の蒸発を保護」する役割を担っているのが「皮脂=ヘアオイル」です。
 
もし私が、髪に塗るオイルは何が一番いいですか?と聞かれたら、
 
これから健康な髪を育てていきたい人には「人間の皮脂に一番近いオイル=スクワランオイル」をお勧めします。
 
手触りが良くなればOKと考えている人には、すすぎやシャンプー剤で比較的落ちやすい「椿油、馬油」をお勧めします。(ただ長期間使用し続けるとゴワゴワな手触りに変わってしまう欠点も持ち合わせています。)
 
近年流行中のノンシリコン整髪料に配合されている「シアバター、ホホバオイル、アルガンオイル…」などの月偏の脂が付く脂(油脂)分を使ってみたいあなたに、是非知っておいて欲しい真実があります。

これら天然の植物由来の濃密タイプのオイルには、(1)ラードやマーガリンのように乾くと白く固まる性質がある、(2)お腹周りに付くコレステロールと同様にタンパク質やキューティクルに張り付いてサビさせる、(3)強力なシャンプー剤で洗っても落ちにくい、これら3つの理由からお勧めしていません。
 
と回答します。
 
 

ヘアオイルを付けるタイミング

 
オイルを付けるタイミングは、
 
うるおいバランスを整えたい時は「シャンプー後のすすぎ(ゆすぎ)が終わった後」。洗面器一杯のお湯を張り、ショートヘアで2〜3滴、ミディアムヘアで3〜5滴、ロングヘアで5〜8滴、を入れてかき混ぜ、手の平ですくって頭皮や髪の毛に掛けながら荒グシでとかす動作を、クシ通りが良くなるまで繰り返します。
 
毛先に束感を付けたい、髪型にツヤ感が欲しい時は「ドライヤーで髪型を仕上げ終わった後」。ワンプッシュ手に取り左右の手指を擦り合わせて指の間や手の平にまんべんなく伸ばし
束感を付けたい箇所をつまむようにして少量ずつ付ける、豆腐に触れる位の力で表面の髪を手の平で撫でるように付けていきます。
 
 
あとがき:※ここでご紹介させて頂いた、おすすめのオイルやオイルを付けるタイミングは毛髪再生論からの学びやサロンでの経験に基づいた私個人の主観によるものとなっております。ご自身でやりやすい様ににアレンジ等を加えてください。)

健康ヘアアドバイザー 田中和義 より

Pocket