髪の毛の太さの違いはどんな要因で生まれるの?

先日私のサロンに、テレビCMで繰り返し放送されている流行りの育毛剤を3ヶ月間使い続けているのにいっこうに髪は増えないし太くならない!このままどんどん髪が細くなって将来ハゲてしまうのでは?と不安一杯の心配顔で相談にお見えになられた方がいました。

問診票にご記入いただいた後、髪の顕微鏡で髪・頭皮・毛穴周りを診断させていただきました所、確かに所々細くなっている髪は見られましたが、相談者の方が抱いている状態よりもずっと軽症でした。

この様なケースでは、毛穴に溜まっている皮脂の状態だけで判断される美容師さんや美容家の方が多いのですが、毛穴を詰まらせている皮脂量の他にも要因は多々あります。ここで大切なのは、太さの違いを生むに至った要因は何なのか?をしっかりと解き明かすこと。ここをキチンとやらない限り、たとえ一時的に良くなったとしても同じ状態を繰り返してしまうものなのです。

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photo credit: 髪の治療院のWEBクリニック

髪の毛の太さの違いを生む要因

日本人の髪は、一般的には子供よりも大人、男性よりも女性の方が太く、年齢やホルモンバランスにより太さに変化が生じると言われています。

個人の生活習慣や環境、その人の持つ体質などにより多少の差はありますが、女性では23歳前後、男性では20歳前後に太さがピークに達し、それ以降は徐々に細くなっていきます。

この様に年齢とともに髪にボリュームやハリがなくなっていくのは、新陳代謝の低下による太さの変化が要因の一つと考えられています。

また、日本人の髪の太さは平均すると、大体0.05~0.15ミリくらいで、健康な状態の方で通常1つの毛穴に同じ位の太さの髪が3本生えています。

そして、1本1本の髪の太さは「毛穴の広さ(毛孔)」と「毛穴の深さ(毛根部)」が関係していると言われています。

ただ、すべて毛穴が同じ広さや深さという訳ではなく、毛穴によって広さや深さのサイズは色々で成長サイクルもマチマチなのです。

地中深く根をしっかり生やした植物は、根から栄養をタップリと吸収できるため太くしっかりした茎が育ち優雅な花を咲かせるように、

広く深い毛穴には、髪がしっかりと根ざす事ができるため抜けにくい髪となり、栄養の貯蔵庫からタップリと栄養が供給されるためハリコシのある太い髪が育ちます。

その反面、脂栓や角栓等の影響で深さが浅くなった毛穴では根のはり方も浅く弱々しいため栄養の供給量も少なく、皮脂や老廃物等で広さが狭くなったサイズの相応の細い髪の毛に、或る日突然変わってしまうケースもあるのです。

但し“太いから硬い”“細いから柔らかい”とは限りません!

髪の治療家 田中和義 より