髪の毛は太いから硬い、細いから柔らかいと思っていませんか?

私は美容師の修業時代、いわゆる浜松市内のサロンに勤めている時には、専門的な毛髪理論の指導を受けた事が無いため、髪の毛の硬さを決めているのは「太さ」で、太いから硬い、細いから柔らかいと思っていました。

そして、太い髪だからパーマが掛かりにくく、ヘアカラーも染まりにくいとも思っていました。(これはサロンを辞めてから、現在メインの取引及び毛髪再生論をご指導いただいている小島化学株式会社の社長に出会うまでずっとの事です。)

小島化学株式会社の先代・二代目社長には1997年より現在まで、毛髪の誕生から成長までの再生論をご指導いただいており、髪の毛の硬さを左右するのは一本一本の「太さ」ではなく、髪内部の卵の殻状の硬い繊維(フィブリル)と軟らかいスポンジ状のタンパク繊維(マトリックス)の割合で決まるのですよ、との真実を教えていただきました。

ですから、細い髪でもパーマが掛かりにくかったり、ヘアカラーが染まりにくかったりする結果もキチンとした理論の後ろ盾がありますから、スーっと頭の中に入ってきました。

毛髪の硬さを決めるものとは

日本人の髪の毛は、平均すると0.25〜0.3ミリだといわれており、一番表面を皆さんが良くご存知の「キューティクル(毛表皮)」、その内側を卵の殻状の硬い繊維と軟質タンパク質の集合体(毛皮質)」、そして中心の空洞部分である「皮脂やアドレナリン等の栄養供給路(毛髄質)」の3つの部分から成り立っています。

そして、一本一本の髪が太いほどケラチンタンパクの量が多く、細いほど少ないと考えられています。

さらに、一般的には「太い髪は硬く」「細い髪は軟らかい」と思われている方が多いようですが、最近のケースでは当てはまらないケースも多々あるようです。

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【断面図の写真】
photo credit: 髪の治療院のWEBクリニック

上記の断面図の写真をご覧いただくとおわかりかと思いますが、黒い部分が卵の殻状の硬い繊維で、白い部分が軟らかいスポンジ状のタンパク繊維を表しています。

どうです、太い髪の毛でも黒い部分(卵の殻状の硬い繊維)が少ないタイプもあれば、細い髪の毛でも黒い部分(卵の殻状の硬い繊維)が多いタイプもあることが見られると思います。

この様に、髪の毛の硬さを決める要素は太い細いではなく、卵の殻状の硬い繊維の量が多いか少ないかで決まります

もし、卵の殻状の硬い繊維が多いのか?軟らかいスポンジ状のタンパク繊維が多いのか?、ひとり一人の毛髪の状態をキチンと把握出来ない美容師さんが担当したとしたら、パーマやヘアカラーに必要以上の薬液の使用量や無駄な時間ばかり掛けることとなり、パーマの持ち・掛かりムラ・傷み、カラーの色持ち・染まりムラ・傷みに直結してしまうのです。

あなたは太い髪だからパーマが掛かりにくく、ヘアカラーも染まりにくいと思っていませんでしたか?

髪の治療家 田中和義 より