夏終盤のパサついて広がる髪と生活習慣

「しっとりタイプのトリートメントでケアしているのに髪のパサつきが改善しません!」

2015年の夏も終盤を迎え、日差しが強力な暑い日が続いたせいか「髪のパサつきと広がり症状の悪化」関連のお悩み相談が聞かれるようになりました。

私たちが暮らしている日本は、戦争で全てを失ってから僅か70年の間に世界でも類を見ないほどの経済成長を遂げました。しかしながら、これほど物質的に豊かになったというのに経済成長を再優先で考えてきたからか、食べ物は粗末にする傾向が強まって大量に廃棄されるようになっただけでなく、食文化の欧米化が進んで好き嫌いが増えた影響からかハリ・コシ・ツヤが失われて髪のコンディションが悪化している様に感じます。

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photo credit: 髪の治療院のWEBクリニック

夏終盤のパサついて広がる髪と生活習慣

あなたは食べ物の好き嫌いを抱えていませんか?

食べ物の好き嫌いを抱えているということは、体に取り入れる栄養素が同じものばかりになる“栄養の偏り”を意味します。食物アレルギーで体が受け付けないケースは除いても、髪・肌・体の健康維持に必要な栄養分が不足してバランスの乱れた不健康な細胞が作られるため、外部からの刺激や病原菌(ウイルス)に対する抵抗力や免疫力の低下に直結します。

どうしても周りに食べるものが豊富にある分「別にこの食べ物を無理して食べなくても、他の食べ物でも同じような栄養が摂れるものが一杯あるのだから」それで良いのでは?と軽く考えてしまうようです。

肉類が嫌いなケースの場合、筋肉を作るために必要な動物性タンパク質やホルモンを作る際の栄養となったり潤いを支えたりする脂質が不足気味になったり、野菜が嫌いなケースの場合、髪やお肌の弾力を支えるビタミン、タンパク質や潤いの元となるミネラルが不足気味になってしまいます。

タンパク質不足は「ハリや弾力の低下」、脂質不足は「保湿力の低下」、ビタミンやミネラルは「潤い力の低下」を招くなど、毛髪は私たちが口にした食べ物のエネルギーから作られているため、食べ物の好き嫌いが多い人ほどコンディション不良の髪の卵が生まれ育ち、不健康なまま大人の髪へと成長してしまうためパサついてまとまらない髪質となってしまうのです。これに加え、夏場はお蕎麦やうどん等の冷たい麺類などの食べ物やキンキンに冷えた炭酸飲料などの飲み物が食卓に並ぶ回数が増えて栄養バランスが偏り、夏バテを起こしたりします。

さらに近年の夏場は、ただ気温が高い「酷暑日」が多いというだけでなく、降射量が増えてパワーが強力になった紫外線の影響がココに加わり、髪表面の7層あるキューティクルが熱によって傷ついて髪内部にまで紫外線の熱被害が及び、タンパク質や老廃物の紫外線酸化によるヤケド症状が進んでミネラル(水分)不足が深刻化。そして、トリートメントや整髪料の付ける量をいくら増やしたとしても、パサついて広がる髪質は良くなることはないでしょう。

「髪に優しい弱酸性タイプのシャンプーで洗い、しっとりタイプのトリートメントで集中補修をしているのに、一向に髪のパサつきと広がりが改善してくれないのは何故でしょうか?」

確かに髪に優しい弱酸性タイプのシャンプーで洗って、しっとりタイプのトリートメントや整髪料を使えば一時的に手触りは良くなりますが状態は更に悪化してしまいます。なぜなら、どんなに高品質な保湿成分が大量に配合されていても、潤いの元である水分(ミネラル)が不足している状態では保湿効果が発揮されないからです。

お肌のヤケド症状には真っ先に大量の水を使って熱と火照りを軽減させるように、髪のヤケド症状にも熱によって失われた水分(ミネラル)をタップリ補う手当を行ってあげましょう。

髪の治療家 田中和義 より