パーマ液やヘアカラー液は劇薬 vs 安全安心

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パーマやヘアカラーに使用されている還元剤や酸化剤は除草剤と似通った劇薬扱いされるほどの性質を持っていて、細心の注意を払って使用しないと髪やお肌のタンパク質や細胞を著しく傷つけてしまう事実を製造メーカーは絶対口外しませんし、薬剤知識(ケミカル)を学ぶ機会が少ないことから最近の美容師さんの中には知らない方も多いと聞きます。

これは美容師だけでなく美容業界全般に言えることですが、どうしても安全面よりもオシャレな髪型を優先的に考えてしまう傾向にあり、軽度な肌荒れから皮膚疾患といった取り返しのつかない事故につながっているケースまで、QAメディアへの質問やお客様からいただくお悩み相談の多さから、水面下ではかなりの数のクレームが発生していることが推測できます。

私のサロンでは1994年のオープンの時から「安全安心な施術と美容製品の提供」を最優先事項に掲げ、これまでの営業に取り組んできました。しかしながら美容業界に入った時から考えていたわけではありません。サロン勤務時代にお客様からいただいた「パーマをかけるとき薬液がお肌に染みてヒリヒリするの」というひと言が切っ掛けとなり、安全安心というテーマに取り組むこととなったのです。

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photo credit: 髪の治療院のWEBクリニック

理想とギャップと不信感

私は高3の学期末テストで赤点を取りながらも職員室で土下座をして追試を行ってもらい何とか卒業を果たした後、1年間美容学校に通いながら市内のサロン勤務(インターンシップ)もこなす就労スタイルで、美容師のキャリアをスタートしました。

シャンプー、ブロー、パーマ、ヘアカラー、カット、ヘアセット…等の深夜に及ぶ技術練習を日々積み重ねながら入店して約5年が経ち、スタイリストとしてお客様のヘア全般を担当させて頂くようになった或る日。毎年のように新製品が開発されて次々と一般市場に登場しているにも拘らず「一流と呼ばれているメーカーが造っている製品でありながら、何故髪の傷みが改善されないのだろう?」という疑問に苛まれ、プロの提供するものは美しさという結果が伴わなければならない!と考える私の美容師に対する理想像とはかけ離れたギャップや、美容メーカーへの不信感を抱き始めます。

安全・安心、そして健康への目覚め

そんな中、街中のサロンから郊外のサロンへの移動と同時に店長へと昇格した私は、その後も独自にパーマやヘアカラーを始めとする整髪料類の調査研究を継続。メーカーから新製品のサンプルをいち早く取り寄せては様々なブレンドを試してみるものの、納得のいく結果が得られない日々、膨らむ一方の不信感。

そんな所に追い討ちをかけるように「パーマやヘアカラーをするとお肌がヒリヒリするの?」「傷まないって言ったのにバサバサになってしまった!」との、お客様からのクレーム。

これらのクレームからメーカーへの不信感はピークに達し、安全・安心な技術とお肌の健康にも配慮した結果の伴う整髪料類の必要性を感じるものの、サロン側との方向性の違いを感じ独立を決意、納得のいく製品が見つからぬまま12年に及んだサロン勤務にピリオドを打ちました。

勤務先のサロンを退社した後3ヶ月の準備期間中に、私の尊敬している一人の世界的なビッグアーチストがプロデュースした製品と販売契約を交わし、1994年3月30日美容室ルグランと命名したマイサロンをオープン、母親との二人三脚で新たなサロン運営をスタート。

そして、サロンが2周年を迎えようとしていた或る日、勤務先で先輩美容師だった方からその後の運命を変える1本の電話が…。

髪の傷み・悩み・トラブルを解消する施術と情報を提供する髪の治療家

先輩美容師からの電話でパーマの講習のお誘いを受けた1996年春、私は「サロンでの施術に、少しでもプラスになれば?」との軽い気持ちで参加の返答をし講習会に出席。

そして、このパーマ講習で「ふんわり柔らかい手触り」と「パーマを掛けたのにツヤツヤな髪」を目にした時のハンマーで頭を殴られたような強い衝撃!は、まさに理想のプロダクツとの出逢いが叶った運命の一瞬でもあり、即契約を交わした記念日でもあります。

がしかし、地域に於いて先駆者がおらず独創的な施術のため全くの知識ゼロ状態。

この全く新しい技術を学ぶため多治見や小牧を皮切りに、豊田・高臓寺・尾張旭・岩倉・豊橋…等の各地で行われる勉強会に積極的に参加しては試行錯誤を繰り返し、「パーマ技術」「カラー技術」に加え「日本顔学会の個性美学」「パーソナルカラー診断(松井香央梨さん)」…等をプラスし、時代のニーズに合わせながらコツコツと約10年の歳月を掛けて、サロンの施術やサービスの向上に努めてまいりました。

これと時を同じくして1996年春に同製品を導入以来、製品の開発元である小島化学(株)の小島社長様から直々のご指導を受けている美容界の一般常識とは異なる医療系毛髪再生論をはじめ、「食物からの栄養・心の状態・生活習慣・生活環境が髪の健康を左右する!健康美容情報」を、15年以上経過した現在も学ばせて頂いております。

その間、流行の髪型や技術の習得のみを目的とした美容の講習やコンテストに意味の無さを感じ、数少ない美容師仲間とも縁を切って美容業界から離別。

そして2010年5月より、施術の効率化とお洒落なヘアスタイルの提供にウェートを置いた一般的な美容師像から一線を画し、「髪・身体・心の健康をベースとした髪の傷み・悩み・トラブルを解消する安全安心な施術と美容製品及び情報提供を行う髪の治療家」として、パーマやヘアカラーによる髪ダメージの真実を伝える活動をスタート。

除草剤と似通った劇薬扱いされるほどの性質を持つパーマやヘアカラーの薬液や施術過程から受ける髪のダメージは、高品質な保護成分を配合した薬液を使用して、パーマやヘアカラー後に専用トリートメントをプラスするだけの一般的な美容施術では、守り切ることは出来ないことをご存知でしょうか?

その理由は、パーマやヘアカラー液にどんなに高品質な保護成分を配合しても薬液自体の力は強いままなため、その力に耐え切れず髪表面や内部は傷ついてしまいます。トリートメントに配合されている油脂成分や保湿成分の油脂膜の力で、施術直後は手触りもツルツルで表面上は綺麗になったように見えますが、2〜3日経過してその力が衰え始めると傷ついたキューティクルやタンパク質の化学的ダメージがあらわになって手触りはゴワゴワ。香料も流れでてしまうため残留していた薬剤臭(アンモニア臭)の鼻にツンとした刺激を感じるようになり、「どんなにトリートメントの量を増やしてもドライヤーで乾かすとバサバサな仕上がりになってしまう!」お客様からのクレームが物語っています。

劇薬扱いのパーマやヘアカラーのダメージから守るためには、薬液の化学成分の刺激を軽減する「頭皮のガード」と薬液の化学的ダメージから守る「毛髪の強化」をパーマやヘアカラーの施術前に行うことが必須です。そして、使用する薬液のパワーの低減や、薬剤の残留を防ぐ施術後の手当をプラスできれば、パーマやヘアカラーの傷み悪化やトラブルを予防する確率はグンと高まります。

髪の治療家 田中和義 より

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