頭皮湿疹という頭皮のトラブルについて教えていただけますか?

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自宅用のお手入れで使っていたシャンプー剤を、ノンシリコン系タイプに変えて一週間くらい経ったら「頭皮のベタつき」「頭皮のかゆみ」が気になり始めたので、5年程お世話になっている美容師さんに「この症状の名前と解決策は?」と相談したのですが、結局わからずじまい。その後、皮膚科の医師に診察していただいたら「頭皮湿疹」という近年増加中の頭皮のトラブルであることがわかりました。

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photo credit: 髪の治療院のWEBクリニック

頭皮湿疹の原因と主な症状

頭皮湿疹は、ひと昔前までは男性に比べ女性は比較的かからないと言われておりました。

しかし、近年の整髪料類の過剰使用や環境破壊によるお肌の免疫力や抵抗力の低下が進んでおり、若い方から大人の女性の方まで幅広い年代の方が自覚なしに頭皮湿疹を発症している傾向にあります。

先日エントリーした『頭皮が赤い状態が続くと髪に良くないの?』では、頭皮が赤い状態の考えられる要因についてご紹介させていただきましたが、

今回はその続編とも言える「頭皮湿疹」という頭皮のトラブルについてのご質問に、髪の治療家である田中和義が回答させていただきたいと思います。

赤味と湿疹のみのタイプ

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photo credit: 髪の治療院のWEBクリニック

まず始めに、赤味と湿疹のみの症状タイプ。

以前でしたら、太陽から降り注いでいる「強力な紫外線」が原因で赤味と湿疹が引き起こされているケースが主流でした。

しかし、近年はシャンプーやトリートメント等の整髪料類に配合されている「防腐剤や保存料」の刺激に反応してしまうタイプが増加傾向にあります。

あなたが今お使いのシャンプーやトリートメント等の整髪料類のパッケージに印字されている使用成分に「イソチアゾリノン」「メチルイソチアゾリノン」「メチルクロロイソチアゾリノン」が表示されていませんか?

元々は、工業用殺菌剤の用途で使用されていた肌への刺激と毒性が強い成分で、近年では防腐剤として整髪料類に配合されているようです。

主に、炎症による頭皮の赤味や所々発疹が出るのですが、痒みが伴わないために気づきにくく発見も遅れがち。

もし、パーマが掛かりにくくなったり、痒みを伴わない頭皮の赤味や発疹が出ていたら、今スグ他のシャンプーやトリートメント等の整髪料類に変えることをオススメします。

赤味と湿疹にフケや痒みが混合したタイプ

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photo credit: 髪の治療院のWEBクリニック

1990年代後半までは「赤味と湿疹にフケや痒みを伴った乾燥タイプ」が多く報告されていました。

しかしながら、ノンシリコン系の整髪料が流行りだした2010年以降は毛穴や頭皮の皮脂の過剰分泌が目立ち始め、「赤味と湿疹にフケや痒みを伴ったベタベタ(脂漏性)タイプの肌荒れ」が多く見られるようになりました。

整髪料に配合されている濃密な油脂成分、すすぎ(ゆすぎ)不足、力を入れたゴシゴシ洗いの刺激が皮脂の分泌バランスを狂わせます。

そして、人間関係等の強いストレス、睡眠不足、食べ物の好き嫌いが多い、夜型の生活習慣等による神経への負荷が引き金となってヘアサイクルを狂わせ、赤味と湿疹にフケや痒みが混合した症状を生む原因とされています。

ですから、シリコン系の整髪料類は傷む!、ノンシリコン系の整髪料類は傷まない!、間違ったイメージに振り回されないことが重要。

正しい知識を持った美容師による早期発見早期手当てが、頭皮湿疹の症状を長引かせない唯一の方法です。

頭皮が赤くなっていないか?フケ・かゆみ・ベタつき等の刺激を感じていないか?手鏡でチェックしてみましょう!

髪の治療家 田中和義 より

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