頭皮のカユミ悪化を防ぐ!シャンプー剤を変える前に行うべき必須事項

『夏本番を迎えてたくさん汗をかくようになってから頭皮のカユミが気になるようになってきました。1日でも早く治したくて長年お世話になっている美容師さんに相談し、そこで勧められた刺激の少ないアミノ酸系タイプのシャンプーに替えて二週間ほど使い続けていますが、カユミが治まる気配はまったくありません。』

どうして美容師さんに相談しても頭皮のカユミ問題が解決しないのでしょうか?

答えはいたって簡単です!

多くの美容師さんは、頭皮のカユミの原因の判断材料となる「頭皮や髪(毛穴)の健康診断」を行いませんし「頭皮にカユミが起こる正しいメカニズム」を知りません。ですから、シャンプー剤の良し悪しや合う合わない引き出しでしか判断できず「今現在使用しているシャンプー剤を替えましょう!」といった単純な選択肢しか持ち合わせていないからです。

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photo credit: 髪の治療院のWEBクリニック

頭皮のカユミの原因とメカニズム

本来、毛髪に最も詳しいはずの美容師さんですら頭皮のカユミの原因と正しいメカニズムを知らない方達が多く、頭皮にカユミを感じると「毛穴周りや頭皮に汚れが溜まっているのが原因」と勝手に自己判断してしまい、美容院だけでなくご自宅でも「シャンプー剤をタップリ使用して」「ゴシゴシ強い力で洗う」といった間違ったシャンプー法でカユミ症状を悪化させているケースが跡を絶たないのが現状です。

シャンプー剤には、1日分の汚れと余分な皮脂を落とす必要最小限の「洗浄力」があればOK。ツヤとうるおいに必要な皮脂を取り過ぎないことが、頭皮のカユミ予防にとって重要だからです。

しかしながら、どうしても使用されている洗浄成分や配合されている保湿成分、「アミノ酸系タイプ」や「ノンシリコンタイプ」といったシャンプー剤の種類に拘りたくなる気持ちもわからなくはないのですが、ツルツルの手触りや良い香りを高める成分、汚れをしっかり落とす力は髪の生態系を狂わせる犯罪者ゆえに、髪の本音としては超迷惑な訳です。

頭皮のカユミの原因には、1)頭皮と毛穴の汚れ、2)間違ったシャンプー法による炎症、の他にも、3)紫外線による炎症、4)皮脂の分泌過剰、5)頭皮の乾燥、6)ホルモンバランスの乱れ、7)真菌類による炎症、などがあり一年を通して相談が絶えないのですが、快方に向かわないケースの多くは

■ TVCMでひっきりなしに流れているシャンプー法は正しいと、知らず知らずのうちに脳裏に刷り込まれている
■ まだまだ多くの美容院で当たり前のように行われている間違ったシャンプー法が、正しい手当てとして指導されている

上記2つの間違った改善策の影響が大きく関わっており、頭皮と毛穴環境のミネラルとオイルバランスを著しく乱してしまう、シャンプー後の「手触りがツルツル」で「良い香りがする」シャンプー剤には要注意。

そして、初夏から浴び続けている大量の紫外線による刺激、汗や皮脂の分泌過剰によるカユミ症状が起こりやすい8月。空気の乾燥によるミネラル(水分)や皮脂の不足によるカユミ症状が起こりやすい2月。この二ヶ月は頭皮のカユミ相談が集中する月となります。

頭皮のカユミ悪化を防ぐためには、シャンプー剤を変える前に「頭皮や髪(毛穴)の健康診断」を行って原因の特定をすることが大切です♪

冒頭の、たくさん汗をかくようになってからの頭皮のカユミは、真菌類によるアレルギー症状の疑いがありますから、真菌類を殺菌できるシャンプー剤が必要不可欠。

それと同時にご家庭でのシャンプー法を、「シャンプー剤をタップリ使用して」「ゴシゴシ強い力で洗う」から「シャンプー剤の使用量を500円硬貨くらいに抑えて」指の腹を使って頭頂部は顔側からツムジに向かって前から後ろに、サイドとバックは生え際からツムジに向かって下から上へ「毛の生え方に逆らうように優しく洗う」ことを心掛け、2〜3分の時間を掛けてタップリのぬるま湯でゆすぎ(すすぎ)を行い、髪本来の「潤い」と「ツヤ」を再生させましょう。

髪の治療家 田中和義 より