
トリートメントでの修復というと、とかく元通りに治すことだと捉えてしまいがちですが、残念ながら一度傷ついた毛髪は元通りにはなりません。
ですから、ダメージケアの基本は「今の状態よりも傷みが酷くならないようにする手当」だと私は考えます。
トリートメントをすれば損傷部が修復されて健康な髪になるの?
修復の意味が気になったので、調べてみると、、、
修復
1 建造物などの、傷んだ箇所を直して、もとのようにすること。しゅふく。「本堂を―する」
2 破綻をきたした関係を元通りに戻すこと。「友好関係を―する」補修
壊れたり、傷んだりした部分をつくろうこと。
元に戻るようなことが書かれておりますが、形あるものが一度壊れてしまったら100%元の状態に戻すのは、なかなか難しいと思います。
トリートメントのテレビCMなどでは、補修補正で輝く髪が蘇ることをイメージさせてくれますが、
実際には表面的な手触りは良くなるのですが、内面の傷口が修復されているのか?というと、疑問に思います。
手触りが良いのは表面加工が優れているだけ?
何故そんな疑問を抱くのか?というと、私が修行時代から疑問に思っていた「補修補正の再生力」が何一つ改善されていないからです。
今から約30年ほど前のサロンでの修行時代、枝毛に悩まされていた私は、整髪料の新製品が発売されるとサンプルを取り寄せ、
営業終了後にモデルさんの髪の毛でテストを実施してみるのですが、枝毛が目立たなくなったりパサつきが改善される効力が持続しているのは大体2週間前後。
その他にもあらゆるトリートメントや整髪料をテストしてみるのですが、結果はほぼ同じで効果を感じるのは2週間前後なのです。
美容メーカーのCMや毛髪理論では、髪のタンパク質と同様な栄養(タンパク質)を補えば傷んだ髪に輝きが蘇ると説いていますが、
私がサロンでモデルの髪を使って行った数多くのテストから、トリートメントや整髪料では表面的な加工で手触りを良くしてくれるが、内部の傷ついたタンパク質までは補修できないという結論を導き出しました。
後の運命的な出逢いで、トリートメントそのものが人間の髪には必要ない(良くない)という正しい毛髪理論を学び、
今現在では、トリートメントに頼らない手当てで髪の自然治癒力を再生する施術をご来店になるお客様に提供しています。
髪の治療家 田中和義 より