育毛の心得:濡れている髪の手触りの良さは育毛には役に立たない

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photo credit: 髪の治療院のWEBクリニック

指通りや手触りの良さに頼ったばかりにどれだけ泣きを見たか

つい2時間前までは、毛先が絡まって「パサパサゴワゴワ」だった髪が、たった1回の施術で「ツルツルサラサラ」の指通りに変わったら、ツヤツヤの髪に戻れるのはアッという間!と期待してしまうでしょう。

しかしながら、現実はそう甘くはありませんでした。

車にWAXを掛けた仕上がりのように表面をいくらピカピカに整えても、肝心のエンジンが錆びてボロボロだったら1ミリたりとも動かないのと同じで、、、

髪を支えている中心部のタンパク質が一旦傷ついてしまったら、どんなに優秀な保湿成分配合のトリートメントや整髪料で補正補修をしても元通りにはなりません。

しかしながら20代前半のサロン勤務当時はその本質に気づくことが出来ず、新製品が出る度に大手の美容メーカーが推奨するダメージケアを施して、「手触りの良さを追求する」同じ過ちを繰り返していました。

「濡れているときはツルツルなのに、なぜ乾くとゴワゴワバサバサな髪になるの?」

この濡れている髪の手触りの良さが「健康か否かのバロメータ」だということを美容メーカーはTVCMや美容師の言葉を通して視覚や聴覚から脳に直接インプットしていたのです。

大手の有名美容メーカーのブランド力はとてつもなく大きく、私の心を支配し続けていました。

兎にも角にも、新製品が出るとサンプルを貰いテストをひたすら繰り返す中、この「濡れている髪の手触りの良さは役に立たない」ダメージのメカニズムを理解できるに至ったのは、独立して2年目の1996年春(32歳)に本物の美容理論と出逢うまで待たなければなりませんでした。

この原理原則でもある本物の美容理論との出会いと学びが、それまでのダメージ街道の終止符を打ってくれ、美容師から髪の治療家への転身を後押ししてくれました。

(美容師の目はごまかせても、濡れている時の指通りや手触りが良いだけで健康状態を判断しない!髪の治療家の目はごまかせません。)

もしあなたが、「指通りや手触りの良さ=ダメージの改善」と考えていたのなら、皮脂やホルモンバランスの乱れによって天使の輪の輝きが失われた髪が生えてくるばかりか、物理的ダメージによる髪内部の空洞化が蔓延して毛先がプチプチ切れてしまう恐れすらあるのですから…。

あなたの痛んだ髪を美しくするために必要な手当は、髪内部に溜まった油脂分や老廃物の大掃除で、トリートメントによる栄養補給や補修・補正ではありません♪

髪の治療家 田中和義 より