パーマの掛かりが悪いのは髪質だけが原因ではないのですか?

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photo credit: 髪の治療院のWEBクリニック

パーマ液の強さや前処理などを色々工夫しても、どうしてもパーマの掛かりが悪いケースがあったのです。

予め顧客様から施術前の問診で「パーマの掛かりが悪い」事はお聞きしていましたので、お肌に負担がかからないように色々工夫を加えながらパーマの施術を行い、

長時間掛かってやっとパーマは掛かったのですが、その後一週間もしないうちに取れてしまいました。

毛髪の成長と薬の服用履歴

その日一回だけでしたらそれほど問題視しなかったと思うのですが、毎回パーマが掛かるまでに長時間を要しても定着が悪くてすぐに取れてしまうことから、ずっと髪質が原因かと思い込んでいました。

しかし、15年来アドバイスや勉強会を開催いただいている小島化学株式会社の社長様に相談すると、以外な答えが返ってきました。

髪質だけではそこまでのケースはあり得ませんから、次回その顧客様が来店されたら「お薬の服用歴を訪ねてみてください」と言われ、

抗ガン剤、ホルモン治療薬、血圧を下げるお薬、…等を服用していたら「パーマやヘアカラーに影響があります」とアドバイス頂きました。

まさか、薬の成分が髪にも影響を与えるとは考えも及ばなかったのは、言うまでもありません。

そこで、高血圧治療薬を調べたら、毛髪のホルモンバランスの指令を司っている自律神経等に影響があることがわかりました。

高血圧治療薬
高血圧の最終的な治療目的は脳卒中や心不全などの二次的疾患を予防し、生命予後を改善することにある。高血圧の発症には食生活や喫煙などの生活習慣が大きく関与することから、基本的にはこれらを改善することによる治療(非薬物療法)が試みられるが、目標値が達成不可能である場合には薬物治療が行われることになる。血圧のコントロールは自律神経系やレニン-アンジオテンシン系(RA系)をはじめとした液性因子などによって行われており、現在発売されている降圧薬は主にこれらの機構をターゲットとしている。

薬に含まれる様々な成分は胃腸で消化され、血液に乗って身体の各器官へと運ばれることによって効き目を発揮しています。

その際、髪の栄養分や不要となった老廃物等と一緒に、最終処分場である毛根へも少なからず運ばれていることが考えられます。

そして、毛根から取り込まれた薬の残留成分や老廃物等は、髪の成長とともに髪の中に異質物として定着し、シャンプーを繰り返しても残留し続けるのです。

この老廃物となった薬の成分が、パーマ液やヘアカラー剤の化学反応に何らかの影響を与えて作用しにくくしていると考えられます。

ですから、パーマやヘアカラーの薬剤をきちんと作用させるには、シャンプーやトリートメントをいくら繰り返してもダメで、

「パーマやヘアカラーの施術前に金属類の残留物や老廃物を髪の中から取り除く手当を要するサロンでのみ」施術が可能となり、

パーマの掛かりやヘアカラーの色持ちが改善されるのです。

パーマの掛かりやヘアカラーの色持ちは、薬の服用履歴によっても変わってきます。

パーマの掛かりやヘアカラーの色持ちが悪くなったのは、薬の服用歴まで深く考慮しない美容師さん側に要因はあるのですから、、、

私の髪質が悪いせいでパーマが掛からなかった!ヘアカラーの色持ちが悪くなった!と、責任を感じて落ち込まないでくださいね♪

髪の治療家 田中和義 より

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