脂漏性皮膚炎や頭皮の赤味・ベタつきが全然良くならないのですが?

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このまま脂漏性皮膚炎が治らずに薄毛になってしまったらどうしよう?と考えてしまい、とっても不安です。
 

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photo credit: 髪の治療院のWEBクリニック

 
皮膚科で「脂漏性皮膚炎」との診断を受けて処方して頂いた塗り薬を毎日ちゃんと使っているのに、一向に頭皮の赤味とベタつきが良くなる気配がありません。
 
生え際や頭頂部の髪が以前より細くなっただけでなく、相変わらず抜け毛も減らないので近い将来、このまま薄毛になってしまいそうでとっても不安です。
 
 

脂漏性皮膚炎や頭皮の赤味・ベタつきが一向に改善しないワケ

 
10年ひと昔とは良く言ったもので、パーマやヘアカラーの薬液やシャンプー・トリートメント等の整髪料類は化学の進歩とともに10年前とは比べ物にならないほど簡単便利な製品へと変化しています。(私の体型も10年前と比べるとお腹周りやお尻が大分変化しておりますが…。笑)
 
また、10年前の2006年頃を振り返ってみると、春や夏といった冬場以外に髪や頭皮の乾燥症状が目立ち始めた時期で、ヘッドスパの研究をスタートした年でもあります。
 
この頃は頭皮のベタつきよりも、乾燥症状でのカサつきやフケといったお悩み相談が多く、脂漏性皮膚炎という言葉も殆ど耳にした事がありませんでした。
 
その後、この状況が変わり始めたのは「ノンシリコン整髪料」が出回り始めた2010年頃だったと私の頭の中では記憶しております。
 
 
近年、支持率が上昇しているノンシリコン整髪料といえば、「ふんわり軽い軟らかさ」「つやつやサラサラなリッチな手触り感」に代表されるように、それまで主流だったシリコン整髪料と比較してみると「軽さ」や「手触り感」は格段に向上しています。
 
しかしその一方で、「髪や頭皮のベタつき」や「頭のかゆみ症状」を訴えるお客様からのお悩み相談が、一人また一人と増え始めていった時期と重なります。
 
では何故これほど急激に、脂漏性皮膚炎をはじめとする「髪や頭皮のベタつきや頭のかゆみ症状」を訴えるお客様が増えていったのでしょうか?
 
考えられる答えは2つあって、ひとつは「間違ったシャンプー法」に、もう一つはシャンプーやトリートメントに配合されている「保湿成分」「洗浄成分」の二大成分にあります。
 
 
では最初に「間違ったシャンプー法」から検証してみましょう
 
あなたはご家庭でシャンプーする日数は、毎日それとも週2〜3回ですか?
 
そして、どのくらいシャンンプー剤を使い、どのように洗われていますか?
 
一般的には、(1)100円硬貨〜5百円硬貨大のシャンプー剤を手に取り(2)手の平で軽く泡立ててから髪や頭皮全体に伸ばす(3)指の腹を使って頭皮全体をしっかりマッサージ
 
これらを毎日繰り返すことがシャンプー法の常識とされています。
 
最近の問診では、チョットした菌が付いただけでも除菌したがる清潔感を求めるあまり、
 
「髪や毛穴に溜まった余分な汚れをその日の内にしっかり落とそうとする」
 
「チョットした痒みを感じるのは汚れが落ちていないからと思い込む」
 
頭全体がモコモコの泡で覆われるほどタップリとシャンプー剤を使い強い力でゴシゴシ洗う「間違ったシャンプー法」を行なっている回答を、多くの方達から耳にします。
 
この「間違ったシャンプー法」を二週間以上繰り返していると、髪と頭皮の潤いを維持していくために必要不可欠な「皮脂」の分泌を行なっている器官(皮脂腺)のプログラムが異常を来して「皮脂」が大量に分泌されるように変化。
 
皮脂に元々住みついているカビ(真菌類)が増加して悪さをするため、頭皮の赤味や炎症・ベタつきや痒み症状がどんどん重く感じるようになっていきます。
 
 
次に、シャンプーやトリートメントに配合されている「保湿成分」「洗浄成分」の二大成分に移りましょう。
 
ノンシリコン製品がシリコン含有製品と根本的に違うのは、「保湿成分」に天然の植物由来の濃密な油脂成分を使用している所。
 
ただし、天然の植物由来の油脂といってもオリーブオイルみたいなサラサラしたオイルとは異なり、焼き肉やすき焼き等に使われる白く固まる性質を持ったラードに似たドロッとした濃厚な油脂分を贅沢に使用。
 
濃厚な油脂分の抱えている重くペタっとした仕上がりになってしまう欠点をカバーするために、脂分を取り除く洗浄成分を二倍ほどに増量する事で、ふんわり柔らかい手触りと軽い仕上がり感になるようにバランス調整が施されています。
 
とはいえ、二週間程使い続けると二倍ほどに増量した洗浄成分が仇となって、潤い維持に必要不可欠な皮脂を奪い続けます。
 
と同時に、洗浄成分と一緒に髪内部に侵入した濃厚な油脂分が大量の紫外線を浴びることでタンパク質を痛めつけ、ハリ・コシ・潤い維持機能をどんどん劣化させてしまうのです。
 
脂漏性皮膚炎や頭皮の赤味・ベタつきを快方へと向かわせるには、「シャンプー剤の洗浄成分で汚れを落とそうとしないこと」「シャンプー前後のゆすぎ(すすぎ)にタップリの時間(2〜5分)を掛けること」「増え過ぎたカビ(真菌類)を殺菌する力を備えたシャンプー剤」が基本の三原則。
 
カビ(真菌類)を殺菌する力を備えたシャンプー剤なら、使う量を少なくしてお湯で倍くらいに薄めても余分な汚れやカビ(真菌類)を殺菌洗浄する力は充分にあります。
 
 
面積の広い指の腹で毛穴と頭皮をキチンと捉えながら、シャンプー前後のゆすぎ(すすぎ)にタップリの時間(2〜5分)マッサージすれば、頭皮に負担を掛けることなく確実に余分な汚れやカビ(真菌類)を処理することに繋がり、脂漏性皮膚炎や頭皮の赤味・ベタつき症状軽減が可能となるのです。

健康ヘアアドバイザー 田中和義 より

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