
時間が過ぎるのは早いもので私が成人式を迎えてから31年、その間に成人の日も第2月曜日(わが町 浜松市では第2日曜日に式典開催)となり、会場となっていた浜松市体育館は駐車場へと変貌を遂げ、
中学校区の最寄りの会場での分離開催というセレモニー化に様変わりする中、私の息子二人も6年前と4年前に無事成人式を迎えて今は社会人として立派に働いています。
そしてここ5年ほど続いていた式典での度を越したマナー違反は影を潜め、古来の和装美からはかけ離れた感があるカジュアル化傾向のラフなヘアスタイルや乱れた着物の着付けは少数派となり、
クラッシックな新日本髪風スタイルの復活や遊び心のある帯結も日の目を見るようになり、美容師としてホッとしております。。
そして、大人の女性に相応しい深い赤色や澄んだブルーの色使いが眩しく、
洋バラやカサブランカ・蝶などのモダン柄を身に纏ったギャル風のカジュアルヘアから、
御所車や毬・桜の古典柄を身に纏ったナチュラルな髪型や日本髪への変化に、
日本古来の厳かでお淑やかな大人の女性の粋を感じさせてくれました♪

成人式の和装美のカジュアル化と式典の在り方について想う
私が晴れて大人の仲間入りを果たした31年前は、、、
強風が吹き荒れ、手足の先が痺れるほどの冷えを感じる午前3時にサロンに集合し、
成人式に出席される18組のご予約のお客様のお支度をスタートした風景が、微かに記憶の片隅に残っています。
一生に一度限りの晴れの舞台に相応しい日本髪の和装スタイルと華やかな帯結びの着付けで、
サロンの顧客様を大人の女性に仕上げさせていただくのは美容師の腕の見せどころでもあり、
息つく暇もないくらい次から次へと美しく変身させていくその仕事振りには、誇りすら感じました。
当時は、まだ入社二年目で技術者のヘルプが主な仕事だった私は当然、自分の成人式の出席どころではなく、
手が空くとオーナーの車で顧客様を成人式会場であった体育館に送り届ける仕事も掛け持ちでこなしていました。
ご予約の顧客様が滞り無く終了し、サロンの営業が一段落して初めて私にも式への出席の許可が降りましたが、時間は既に式典の終了時刻の午前10時30分を経過。
急いで成人式用のスーツに着替えて、当時の会場であった体育館前に駆けつけたものの、体育館の出入口周辺は既に人、人、人で、ごった返しており、
偶然近くを通りかかった同級生に声をかけて同窓会が行われる時間と場所を聞いて会場を後にしました。
両親が私のために、生地選びからオーダーメードで丹精込めて仕立ててくれた一張羅のスーツも、袖を通したのはわずか一時間余で、その後はタンスの肥やしと成り果ててしまいました。(当時はDCブランドがブームになり始めた時期で、私もDCブランドスーツを身に付けたかった憧れの思いが…)
髪の治療家 田中和義 より