髪ダメージの苦悩:ゴワゴワパサパサ髪vs毎日のトリートメント

141123-col002.1
Pocket

141123-col002.1
photo credit: 髪の治療院のWEBクリニック

小学生の頃はシャンプーしたあと何も付けずにただ乾かすだけで、天使の輪が輝くサラッサラの自慢な髪だったのに…、

それが今では、毎日トリートメントでダメージケアをしているのにゴワゴワ・パサパサな手触りでツヤのない髪、肩より長くなると直ぐににプチプチ切れてしまう髪質に。

髪は何処で傷み、何によって悪化しているのでしょうか?

一般的な美容の常識では多くのメディアや健康雑誌等を通じて、パーマやヘアカラー等の薬剤で受けた化学的ダメージや、ドライヤーやアイロンやホットカーラーの熱や摩擦などによって傷つく物理的ダメージが、髪を痛める代表格として紹介されています。

しかし、実はこの他にも「パーマやヘアカラーの化学的ダメージや熱や摩擦などの物理的ダメージを、より大きな髪ダメージへと変えてしまう」美容の非常識として語られていない要因が2つ存在します。(この2つの要因をご存知の方は、髪の専門家でもごく限られています。)

もしこの真実を知り得ないとしたら「ヘアダメージの悪化スパイラルから抜け出せない!」と断言しても良いくらい、重要なウェートを占めています。

1つ目は、自然環境悪化による、汚染された空気と水の摂取
2つ目は、天然の植物由来油脂及び保湿成分配合のリンス・トリートメントなどの整髪料類でのお手入れ

この2つが、髪と頭皮(お肌)の傷みを大きくしている犯人です。

しかしながら、上記のことについては美容の世界に於ける一般常識では語られることはありません。というよりも、大手の美容メーカーの指導を受けている美容師には知らされていないと言ったほうが正しいかもしれません。

汚染された空気と水の摂取による髪ダメージ

昭和初期から30年代頃までは、四季折々の美しい移り変わりが楽しめる自然が日本の至る所に残っていました。

ヘアケア製品においては、リンスやトリートメントなどは無く、シャンプー剤は高価であったため一般的に髪は石けんで洗うだけ。にも拘らずアジアンビューティといえば日本人といわれる位、つやつやサラサラな黒髪はアジア人の誇りでもあり世界中の憧れでした。

そして、今と比べればパーマやヘアカラーが髪のお洒落として浸透していなかったことも、ダメージが少なかった要因かもしれません。

豊かな自然がすぐ近くにあり、井戸を掘ったり近隣の山から天然のミネラルが豊富な水を引いて食事や飲用に使ったり、新鮮な空気を身体に取り入れることが可能だったお陰で、髪・お肌・身体に本来備わっている自然治癒力が100%発揮される環境にあり、空気と水の力でお肌の傷が治癒するように知らず知らずのうちに髪の中の悪い物が浄化されていたのです。

また人間は、飲まず食わずでも3日程度なら生きていけますが、空気を5分ほど断たれたら簡単に死んでしまうほど脆く、髪や身体に取っては必要不可欠なのです。

ところが、今の空気やお水はどうでしょう?

排気ガスや工場の排煙・廃水から出される酸化物で汚れ、頭皮やお肌の毛穴や身体のいろんな器官を侵し、アトピー、脱毛、断毛、原因不明の疾患を引き起こす要因にも上げられている程です。そして2011年に起こった東日本大震災による原子力発電所の被災では、大量の放射性物質が放出されて大気や海中を汚染し農作物や海産物が多大な影響を受けています。

この汚染された空気や水の影響は、被災地周辺で甲状腺ガンが増加したりホルモンの分泌が乱れたりと、少しずつ私たちの髪やお肌や身体を蝕んでいると考えられ、10〜20年後に表面化してくるでしょう。

リンス・トリートメントなどの整髪料類による髪ダメージ

毎日のようにTVCMで繰り返し放送される、ノンシリコンを謳い文句にしたシャンプーやトリートメント等の整髪料類。栄養補給やダメージ補修が、傷んだ髪のお手入れとして一般常識となっているにも関わらず「ゴワゴワ」「パサパサ」の傷みが酷くなったり一向に改善されない悩みでご相談される方が後を絶ちません。

シャンプー・リンス・コンディショナーはじめ、トリートメント・セット剤等に配合されている「シリコーン」は2009年頃から少しずつ、髪に良くない!と紹介され始めてからは減少傾向にあるものの、2010年に入ると「ノンシリコン」が謳い文句の製品が増え始めてから徐々に、以前よりも痛みが悪化傾向にあります。

これは、良い香りでツルツルの手触りに仕上がる、バターやラードに匹敵する自然の植物由来の濃密な油脂(美容成分)や香料が大量に配合。(細く柔らかい髪質の方が使用すると、その濃密な重さでボリュームが奪われてペシャンコの仕上がりに。)

もし、これらの油脂分や香料がホンノ少しでも髪の中に入って強力な紫外線を浴びると、酸化を起こし髪内部のタンパク質を壊して空洞化(髪粗鬆症)状態に陥り、スカスカな髪へと変わる物理的ダメージを引き起こします。

いくらトリートメントでお手入れを繰り返しても、髪のパサつきはなかなか解消されないばかりか、10人中7人もの方(※当サロン比)が切れ毛・抜け毛への症状の悪化で悩んでいることからも、ハリコシの弾力低下への影響はかなり大きいと推測できます。

髪のダメージの悪化を防ぎたいあなたが取るべきファーストステップは、髪が細くなったかも?量が減ってきたかも?と感じ始める前に、リンス・トリートメント・整髪料の使用を今スグ中止する事。

あなたの大切な髪は美容室の未熟なパーマやヘアカラーの化学的ダメージで傷み、ご家庭での間違ったヘアケアの物理的ダメージによって傷みが悪化しているのですから…。

髪の治療家 田中和義 より

Pocket