ノンシリコン=髪が傷まない、誘惑の裏で大切なモノを失っている

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photo credit: 髪の治療院のWEBクリニック

シリコンやコーティングは、手触りがツルツルピカピカになると長きに渡り賞賛されてきましたが、

パーマやヘアカラーに支障をきたしたり紫外線のダメージを受けやすいウイークポイントが指摘されたことで、徐々に信用を失っていきました。

一方、ノンシリコンタイプは、シリコンを使用していないから髪が傷まないイメージが定着して、現在大人気です。

ただ、これだけ人気があって売れているにもかかわらず、髪ダメージが改善の兆しを見せないのは、リンスやトリートメントを使うこと自体が、髪の生態系を壊しているからに他なりません。

あのツルツルピカピカの手触りの良さは何処へ

小学生の頃から細くコシがない髪質だったせいかデリケートで傷つきやすい、パーマやヘアカラーを繰り返すとすぐに枝毛が出来て毛先がゴワゴワパサパサに。

こんな髪ですから、シャンプーやトリートメントを始めとする整髪料選びにはとても神経を使っていました。

【Q.ノンシリコンタイプのトリートメントで、ゴワゴワ・ぺしゃんこ髪に】

『2013年の暮れから通い始めた美容院で紹介して頂いたノンシリコンタイプの整髪料を使い始め、ツルツルピカピカの手触りの良さに大満足していたのですが、使い続けていく内に少しずつゴワゴワな手触りに変わってきました。ドライヤーでボリュームが出るようにしっかり乾かしても、半日もしないうちに頭頂部がペシャンコになってしまいます。』浜松市中区在住の安西様より、お悩み相談を頂きました。

【A.ノンシリコンタイプは洗浄力と保湿力が高濃度に】

2010年以降より登場し始めたノンシリコン整髪料は、2つの大きな特徴を備えています。

(1)シリコンの代わりに濃密な天然植物油脂を使用。
ノンシリコンという言葉からもお分かりのように、ささくれたキューティクルを保護する「シリコン」を使用していません。シリコンの皮膜の代わりに、天然植物から抽出した油脂分を配合し、「バターやラードのような濃密な油膜で髪を包み込んで」ツルツルピカピカの手触りに仕上げています。

(2)濃密な天然植物油脂に軽さを出すように、既存製品の倍の量の洗浄成分を使用。
濃密な油脂皮膜のドロッとした重さを打ち消すために既存製品の倍の量の洗浄成分を使用することでバランスを調節、天然植物由来の油脂皮膜を活かしつつ、ふわ軽な仕上がり感を出しています。

髪の治療家 田中和義からのアドバイス

シリコン配合整髪料に比べノンシリコン整髪料は、大量の洗浄成分によって髪の保湿に必要な「皮脂」や「ミネラル分」まで奪ってしまいます。その結果、使い続けるほどに髪をしなやかに保つために必需な潤い成分が抜き取られてタンパク質が干乾びてしまうため、ゴワゴワの硬い髪に変わってしまいます。

さらに、ハリ・コシの不足している細い髪質のあなたが使用した場合、ボリュームを出すように仕上げても大量に配合されている「濃密な天然植物油脂」の持つドロっとした重さに負けてしまい、すぐにぺしゃんこになってしまうのです。

あなたに必要な手当は、トリートメントによる栄養補給や補修補正といった油脂加工ではなく、油脂分でメタボ化した髪内部の濃密な油脂分と洗浄成分を髪の外に排出する髪のダイエットが、失われたボリュームとツヤを蘇らせるために必要な手当です!

手触りの良さを追求し過ぎると濃密な油脂分で髪本来の生態系が壊されてしまい、髪は髪で無くなってしまうのです!

髪の治療家 田中和義 より

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