整髪料の本音 – 合成品は「悪」で天然品は「善」なの?

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photo credit: 髪の治療院のWEBクリニック

私たち人間は物事を判断する時、どうしてもヒーローと悪役に分けたがる傾向にあります。

それは何故か?

「善」と「悪」が一番感情に訴えかけるということを、子供の頃から漫画や映画などを通して自然と学習しているのですね。

もちろん美容製品も例外ではありません。

美容関係のウェブサイトやブログなどを検索すると、本当にわんさか出てきます。

整髪料のホンネは何処にある?

ひと昔前ですと、インド原産の天然のハーブから作られた「ヘナ(正式名称=ヘンナ)」が、髪を痛めない植物性ヘアカラーとして、美容師さんやオーガニックを求める消費者の方に絶大な人気を博していました。

ただ、全てのヘナが天然品と信じていた一部の勉強不足の美容師さん達が施術した「アルカリ染料が混ざっていた合成ヘナ」によるトラブルが頻発したため、一気に下火になってしまいました。

合成品と天然品の長所と短所

近年、特に話題の中心となっているのが「シャンプー剤」。

「ノンシリコンシャンプー」「オイルシャンプー」の登場で、シャンプー市場は少々過熱気味とも思えます。

シリコン含有シャンプーは、ケイ素によるコーティングでキューティクルを傷めてしまう!との理由から人気が急降下。

その後、シリコンを使用せずに、天然植物由来の油脂分をタップリ配合だから髪に優しい!「ノンシリコンシャンプー」が彗星のごとく登場し、シャンプー市場を席巻。

そして、2014年の夏から秋にかけて登場してきた、天然植物由来の濃密なオイル分を高配合した「オイルシャンプー」。

いずれのシャンプー剤にも共通するキーワードが「天然植物由来」

従来ですと「オリーブ油」や「椿油」などが代表的な常温でも固まらないサラサラタイプの油でしたが、近年配合されているのは、

ラードやマーガリンと似たような常温で固まる性質を持つ、天然植物由来の「濃密な油脂分」

ただ、濃密な油脂による重さを克服するために従来の倍以上の洗浄成分を配合してベストバランスを築いたお陰で、

今まで以上にシットリしなやかなのに、ふんわり軽い仕上がり感が特徴です。

反面、石油系の洗浄剤や防腐剤・保存料・着色料などに指定成分を使用している合成品は、「皮膚ガンになる恐れ」「経皮毒として身体に蓄積」など、ことごとくダメ出しされています。

がしかし、どんな状況下でも安定的に持っている性能を発揮できるのが「合成品の良さ」です。

いっぽう、天然品は使う人によって使用感に差が出やすいなど安定感に欠ける面があり、ごく稀に起こるトラブルは重大なケースに繋がりやすい欠点も持ち合わせています。

このエントリーを通して私がイチバン危惧しているのは、合成品は「悪」で天然品は「善」と最初から決めつけてしまうことにあります。

最後に、私がサロンで扱う美容製品を選ぶ目安はいかの2点。

  • 身体の生態系(自然治癒力や免疫力など)を傷つけない
  • 頭から爪先まで全身に使えること

頭・顔・身体は、同じ皮膚が1枚で繋がっているのだから、同じ製品で手入れしましょうよ!と言うことです。

髪の治療家 田中和義 より

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